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テックキャスト

世界中のテクノロジーやカルチャーなどを中心に、生活やビジネスを彩るコトやモノを紹介。

仮想通貨が国境をなくす

 

(unsplash Štefan Štefančík)

■仮想通貨が国境をなくす

お金×テクノロジーを語るうえで欠かせないのが仮想通貨の存在だ。

仮想通貨はまだインフラが十分に整備されていないなどの問題はあるが、インターネットが世間に与えたインパクトと同等のポテンシャルを備えていると言われている。そこで仮想通貨(ビットコイン)を活用したイノベーティブな事例を紹介する。

◇仮想通貨が国を創る

伝統的な国家の役割である、国籍や婚姻、生死の管理、安全保障など、その他多くのサービスをデジタルの世界で提供している企業がある。それがBITNATION(ビットネイション)だ。ビットコインという仮想通貨の基盤技術(ブロックチェーン)を活用することによって、国籍や住所にとらわれず、非中央主権的(分散的)かつ自発的にサービスを受けることができる。

resource:bitnation

ビットネイションのヴィジョンは『国家が提供している地理的なアパルトヘイトを排除し、より良く安価な統治サービスを提供すること』。一国一貨幣制度がある以上、人が貧困になる確率は生まれる国家に依存している。世界には25億人以上の貧困層がおり、経済システムに組み込まれていないのである。だがビットコインを活用すれば地理条件や出生にとらわれない経済システムを創ることができ、誰もがそれを享受することができるようになる。

 


Bitnation - The virtual country | Shift

いきなり国を創るなんて言われてもピンとこないかもしれないが、すでに私たちの生活の中にはある種デジタルネイションと呼べるようなものが数多くある。

それはFacebookやLINEのようなSNSのプラットフォームだ。すでにFacebookの会員数は世界で10億人を超えており、一つの巨大国家であると言っても過言ではない。国家に必要な三要素は「領土・国民・主権」の3つだが、サービス自体のプラットフォーム、その中でのユーザー(登録者)と自由な活動が当てはまる。近い将来、自分で経済圏やコミュニティをオンラインで選択することができるような時代がやってくるかもしれない。

ビットコインだけで世界一周した男

2015年からルクセンブルク出身のプログラマーであるFelix Weis(以下フェリックス)という男が世界一周をした。

resource:bitcointraveler

その内容ビットコインで世界の27カ国、50都市を周るというものだ。ビットコインを使用するには、インターネットやビットコイン自体の普及が不可欠であるが、逆にそれさえあれば、訪れた国々で現地の通貨を調達する必要もないため、世界中を単一通貨で生活することができる。

フェリックス氏は「人が認めるのであれば、何でもお金である。」と述べているが、これは国や公的権力が認めなくとも、需給がマッチングしさえすれば取引は成立するということである。この言葉にお金の本質を見て取ることができる。

◇歴史から紐解くお金の本質

お金が発明される前、人は物々交換をすることで生活してきた。そこには自分のコミュニティ内で直接的なやり取りがあり、コミュニティの結びつきも強かった。しかし、物々交換では、交換範囲や保存期間も限られているうえ、人々は食料の生産に最低限の時間を費やさなければならなかったため、自由な時間も限られていた。

unsplash mike anderson

そこで、人々が発明したのがお金である。自分の生産物をお金に変えて、蓄積したり、交換したりすることで、人々は役割を分担し、専門性を身につけたり、自分の好きなことを追求したりする時間を手に入れることができた。

お金は、石、貝、塩、金属、鋳貨、紙幣、デジタルなど、様々な形態を経て進化してきた。お金がお金として機能したのは、長期的に保存でき、交換する手段になり、媒介物として価値を測ることができたからである。そして、この価値を測る尺度としての機能を果たす「信頼」こそがお金の本質であり、取引する人の間で信頼できるモノがあるなら、なんだってお金になるうるのだ。

金なら、それ自体に絶対的な価値があるから、お金になった。塩や胡椒などの調味料も、西洋で価値が高い時代があった。紙幣は、それ自体は単なる紙でしかないが、国や公的権力がお金としての信用を加えた。こうして信用力のある「お金」の存在が、経済の範囲を拡大し、文明を発展させてきた。

そして現在、お金とITが結びつくことで、人の経済活動に、原始的な回帰とも呼べる現象が起きている。次回はそれを見ていくことにする。

 

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