アイスランドスタートアップまとめ40 〜Iceland Startup 40〜
今回はアイスランドをピックアップ。
世界一治安の良い国。
世界の中でも屈指の幸福度を誇る国。
広大で優美な自然に包まれる国。
ビョークやシガーロス、ムームなど世界的なアーティストを多数輩出している国。
インターネットの人口普及率が世界一の国。
この国が目指す「イノベーション」とはどんなものなのだろうか?
自然と共生する日本がこの国から学べることもあるだろう、という希望的観測と己の好奇心に基づいて調べてみた。(これまで日替わりで紹介してきたものの、ほとんどがアイスランドのスタートアップであり、新しい事例も加えてまとめた。)
◇観光・旅行
■Travel Shift
21世紀最大の産業とも言われるのが観光産業。最近だとAirbnbによって誰でも旅行者に宿泊所を貸し出せるようになったため、一般市民の観光産業へのジョインの流れは大きくなっている。そこで観光産業への簡単に参画できるプラットフォームを提供しているのがTravel Shiftだ。
今までの顧客数は17000、ビジターが230万人で売上は1200万ドル。スモールプレイヤーでも観光産業に参入し戦うことができるソフトウェアを提供している。
アイスランドにはオーロラや氷河をはじめ美しい観光資源が豊富だ。それを求め世界中から旅行者がやってくるため、観光産業はより一層魅力的なものとなっているはずだ。エスタブリッシュなビックプレーヤーが提供する旅行パッケージだけでなく、個々人レベルが提案できるローカリティー、オリジナリティ溢れる旅行プランというもの、パーソナライズ化が進む世界にも合っていると思われる。
日本でもインバウンドはヒートアップしているトピックの一つだ。いよいよ2000万人を超え。オリンピックも控えている。世界の観光産業の新たなプレーヤーにも注目するとよいだろう。
▼旅行代理店を始める8つのステップ
1.狙うセグメントを決める
2.優良なパートナーを見つける
3.マーケットプレイスを立ち上げる
4.オリジナリティを加える
5.ターゲティングアダプション
6.声高にマーケティングする
7.カスタマーを満足させる(失望させない)
8.カスタマーのポジティブな評価をさらに利用すること
■Bungalo
これは、、、アイスランドに旅行にいく人ならぜひとも参考にしたいサイトだろう。
直感的にわかるUXのサイトなので、簡単に予約できそうだ。見ているだけで旅をしている気分になれる、美しい景観に佇むバンガロー、あなたのお気に入りはどれだろうか?
Airbnbと合わせて確認しておくとなお良いですね。
■Dohop
こちらは日本語もあるフライト検索エンジン。このへんはHIS、スカイスキャナー、エクスペディアと競合も多い中、2014年には"The World's Leading Flight Comparison Website" at the World Travel Awardsを受賞していますね。
確かにシンプルかつポップなウェブサイトがすごくさっぱりしていて、これから旅行に行こうという気持ちをくすぐってくれるようなUIがたまりませんね。
いつも使っているフライトサーチエンジンに飽きた方はDohop使ってみるとよいかもしれません。
■Trip Creater
あらゆるものがパーソナライズされる時代、それは旅行プランだって例外ではないでしょう。全て自分で決める旅かパッケージ化されているツアーか、という二択だけではなく、その中間ともいえるサービスです。宿泊先はBooking.comとのアライアンス。
旅行者はまず行きたい場所と日にちを記入し、パーソナライズトリップかパッケージトリップを選択します。パーソナライズを選択すると、行こうと思っている国や地域の場所を打ち込んでいきます。そうすると、そのルートとレコメンドのホテル、動線にある観光地やアクティビティをマップで紹介してくれます。
▼こんな感じ(フランス国内周遊の場合)
UI/UXが優れており、選んでいてすごく楽しいです。左したにチャットのカスタマーサービスがついているのもさすがですね。
皆さんもヨーロッパ行くときは使ってみてはいかがでしょう?
地力じゃ見つけられなかった新しい発見の旅と出会うことができるかもしれません。
■Kaptio
Kaptioは世界ナンバーワンのクラウドサービス・プラットフォーム企業であるSalesforce.comと提携して、旅行代理店にITを最大限活用した最先端のオペレーションマネジメントソフトウェアを提供している企業だ。
SaaSによって、既存のシステムよりも効率的なシステムをリーズナブルに使えるようなサービスはこれからもたくさん登場していくだろう。
◇ゲーム・エンタメ・VR
■QuizeUp
世界中の人と1200のトピックの中から選んで対戦しつながることができます。
けっこう英語学習ツールとしておすすめしている日本人の方も多いですね。
トピックは、歴史や文化的な教養から、ポケモンGOなどのアプリ・ゲームなどのエンタメ、ビジネス、アートに至るまで、本当に幅広いです。
楽しいUI/UXなのも嬉しい。まずは自分にもできるトピックから参加して、英語学習と並行して幅を広げて使うといいかも。
■Radiant Games
Radiant Gamesは今注目のゲーミフィケーション×プログラミング教育のサービスを提供している。数々の受賞暦があり、楽しくコーディングの基礎やアルゴリズムを学ぶことができるソフトだ。
こちらがそのゲーム"Box Island"だ。
■CCP Games
VRのシューティングゲームを創っている会社。
口で説明するよりトレーラーみてもらったほうが早いですが、プレイステーションでも出るみたい。クオリティの高いVRシューティングお探しの方にはいいかもしれないです。
■Solfar
なんとも壮大な「エベレストVR(EVEREST VR)」を提供している企業。
エベレストに絞っているところにしびれます。世界一の名峰に登ることができる人、登った人は地球全体からしたらごくわずか。しかし一生この山を経験せずに死んでもいいのか?と問われると惜しい気がするのは私だけだろうか。
そんな人のためにエベレストの「酸いも甘いも」体験することができるのが、エベレストVRだろう。そのうちお世話になりたい。
■MURE VR
BreakRoomその名の通り、オフィスという空間をVR(バーチャルリアリティ)によってリプレイスしてしまおうという企業。コンセプトは面白い!と思うのだが、VR空間で働きたいという人がそんなにいるのだろうか?おそらく、一人の空間や集中したい時という条件付きでならニーズはあるように思うが、まずゴーグルをつけるストレスが限りなくゼロにならないと、VR空間で作業すること自体がストレスになってしまうのではないかな。
とまあネガティブめな印象を受けるこのプロダクトなのだが、VRを世界に実装していこうとするギークな心意気が好きだから頑張ってほしいな。
■Keywe
アイスランドで注目を集めているEdTech企業がKeyWeで、ビジュアルを使った学習やゲーミフィケーションの要素を取り入れることによって、子供たちに、記憶力やクリエイティビティ、合理的な判断や直感力を養う工夫を盛り込んでいる。
今フィンテックと並んで注目されているEdTechだが、次世代の教育のあり方を見直す時期にさしかかっているのは間違いないだろう。全員がタブレットを持ち、黒板はほとんど使わなくなるだろうし、先生が一方的に教えるのではなく、むしろファシリテーターとして、子供同士のインタラクティブなやり取りを促すように変わっていくだろう。
教育先進国の北欧のEdTechからは学べることも多そうだ。
■Suit Me
Suit Meは新しいインタラクティブなEC体験を可能にするツールを提供する。主要なプロダクトは、Viewit3dとMesherの2つだ。
Viewit3dはプロダクトの静止画に加えて、ディティールの動画を加えることで消費者がプロダクトをより詳しく知ることができ、ショッピングのミスマッチを減らすのに貢献する。
Mesherは自分の写真を撮影し、送ることで自分の体型を数値化、ビジュアライズ化し、商品を購入する際にバーチャルで自分が着たらどうなるのかをシミュレーションすることで、ミスマッチを減らす。
共にECに不足しがちなリアルとのギャップを埋めるテクノロジーで、返品率の減少と売り上げの増加に寄与する。
EC全般でリアルとのギャップを埋めるようなテクノロジーは台頭してくるだろうな。それこそVRとか使って試着したり、自分の体型をスキャニングしたりして。逆に店舗側は信頼のおけるプロダクトを提供することが何より重要になりそうだ。
◇BtoBサービス
■Jive Software
社内外のコミュニケーション・プラットフォームを提供するJiveソフトウェア。
従業員やパートナー、カスタマーと一緒にプロジェクトを進めていく環境を提供します。
ITを活用したコミュニケーションツールは色々ありますが、UI/UXもよさそうですね。
Windows,Goodle,Salesforceなど様々なソフトとのインテグレーションも可能なようです。
■Tempo Software
vimeo.com(こちらはPlan管理)
タスク管理、バジェット管理、時間管理のソフトウェアを提供するTEMPO.
タスク管理はAsanaやTrelloなど色々ありますが、これもいい感じのUIですね。このあたりは個人がどうこうするものでなく、会社が意思決定するものなので、使いこなすことが肝要でしょうか?データを見える化してトラッキングすることで、目標達成にマクロ&ミクロでコミットしていくのに最適なツールではないでしょうか。
■LS Retail
小売からレストラン・フードサービスなどに向けた、経営ソフトウェアを提供しているLS Retail.バックオフィスの業務管理や会計・財務、そして顧客とのカスタマーリレーションシップやロイヤリティ構築など、一貫したソリューションを提供しています。日本でいうところのAirレジみたいな感じかな。
まあこのへんは今時アナログではなくデジタルでデータをトラッキングしたり、クラウドで自動計算したりすることで、効率性の向上、顧客との結びつき強化に努めている動きで今後もますます加速すると思われる。あとはカスマイゼーションの波か。
■Syndis
"Creative in Security"
"We believe defense through offense makes the world safer"
というHPの言葉が印象的です。私たちがITサービスを享受できるのも、プロダクトやサービスに安全性が保証されているからです。そのためテクノロジーの発展に伴い、セクリティベンダーもよりクリエイティブにならければなりないということですね。かっこいいです。
■Crank Wheel
スクリーンシェアサービスを提供しているのがCrank Wheelだ。
ある程度プロダクトやサービス単体では差別化が難しくなってきた時代、顧客に選んでもらうには、セールスからカスタマーサポートまでのトータルサービスの質が求められるのだろう。スクリーンシェアは、この首尾であるセールスとカスタマーサポートで効果を発揮してくれる。どうしても電話対応だけでは分からないこともスクリーンで見れば分かることも多いだろう。
リモートワークやリモート学習などにおいても役に立つかもしれない。
■MENIGA
17カ国3500万人以上のユーザーがいる、個人金融管理サービス「MENIGA」。FinTech企業ですね。日本だとマネーフォワードとかに近い感じでしょうか。
日本語対応するかは分からないですが、世界中でこのようなフィンテックサービスがどんどん台頭してきていますね。
■Controlant
"IoT"という言葉をここ数年でよく耳にするようになりましたが、温度管理のIoTツールを提供しているControlantは非常に実践的な例ですね。クラウドで温度データを管理することができます。サプライチェーン管理や農業をはじめ温度が関係することならなんでも汎用可能そうです。
IoTデバイスは徐々に浸透してくると思うので、これからも注目したいですね。BtoBでは特に。
■Apon
プロトタイピングツールを提供しているApon.
■Tagplay
タグプレイはウェブサイトのコンテンツをソーシャルメディア(Facebook、Twitter、Instagram etc)やEmailとハッシュタグを活用することによってアップデートすることができるツールです。
今の時代企業は顧客との接点を持つために、様々なメディアを運用しなければなりません。それこそSNSの利用は企業の重要なマーケティング戦略の一つです。しかし、次々と新しいメディアが登場するため、運用コストもかかります。そこで、タグプレイのように一箇所の変更と連動して、自動的にウェブサイトの情報をアップデートできるようなサービスは嬉しいですね。
▼一連の動作がわかりにくいと思うのでこちらからどうぞ
https://tagplay.co/how-it-works
■Marorka
"Data driven ship"
海上輸送の効率化に特化したデーダカンパニーがMarorkaである。運輸のデータドリブンエネルギーマネジメントの世界的な企業として、燃料消費の減少、排気ガスの減少などを通じて、船のエネルギー効率を最適化するソフトウェアを提供している。
海上輸送は今でも我々人類の大事な運送手段である。しかしあまりにも巨大でフィックスした産業なのでそれ自体にはイノベーションは起こらなさそだが、ITを活用することで効率化を図るような動きは今後も加速していくだろう。なにしろ規模が大きいため、ほんの少しの効率化も大きな費用対効果をもたらすと考えられるからだ。
まあ動画を見ると分かりやすいと思うのでぜひ。
■Sling
未だにバイトの現場などではアナログのシフト表が主流なのか、は分からないが、いちいち手帳を確認して、打ち込んでとするのは大変だろう。ちなみに私が飲食店でバイトしていた頃は、毎回シフトカードを切っていた。なのでシフト表もデジタル化して、分かりやすくすれば、もっとスケジューリングも楽になるし、雇い主と従業員・バイトとのコミュニケーションも気軽にとれるようになるだろう。
■Authenteq
Authenteqはオンラインマーケットプレイスのための自動個人認証プラットフォームを提供している。写真, ID, デバイス, 生体ID, ソーシャルな履歴などを駆使して、ユーザー間のコミュニケーションやトランザクションの信頼性と透明性の向上させる。オンラインのマーケットプレイスならどこにでも組み込める仕組みだ。
最近はユーザー間の直接的な商取引(P2P)も増えていることから、いかにして信頼性を高めるかが問題となっている。ブロックチェーンの技術などが注目されているのも同じ理由からだ。
Authenteqのように、信頼を新しい形で付与していく企業やテクノロジーには注目していきたい。
◇ハードウェアとか
■MODIO 3D
3Dプリンターでオリジナルのフィギュアを作ることができるアプリサービスを提供しているのがMODIOだ。サイズや色、テキスチャーなどを自由に変えることができる。
3DプリンターはBtoBでは広く利用されるようになっているが、C向けはまだといった印象だ。日本のように精巧な職人やクリエイターがたくさんいる国でこそ、3Dプリンターの普及による、ものづくりの民主化は効果を発揮するように思う。
ピクシブのフィギュア版があれば日本人がマーケットをあっという間に創ってしまうだろう。今後に期待したい。
■App Dynamics
APP DYNAMICはユニークなAirplay体験を提供しているソフトウェアカンパニーだ。
AirPlayは、iTunesやiPhone、iPod touch、iPadで再生している音楽や動画、画像を、家庭内のネットワークを経由して他の機器でストリーミング再生する機能である。(wikipedia)
動画を見てもらえば分かるが、教室やビジネスシーン、ホテルからホームシアターなど
幅広い用途が考えらる。ストリーミングや音楽、ビデオなどのサブスクリプションサービスが数多く登場していることから、それらを大きなディスプレイでみたいと思うニーズも増えていくだろう。
また教室などの場面で各々の画面を前の画面にキャストして共有することで、よりインタラクティブで楽しい教育になりそうだ。
■Ossur
オズールはスポーツ用の義足でトップシェアを誇るメーカーで、オスカー・ピストリウスをはじめとする多くの選手に愛用されていることで有名です。
「Life Without Limitation(制限のない人生)」
というスローガンを掲げ、文字通り、障害者の足を作ることでそのミッションを果たしています。めっちゃかっこいいですね。
▼詳しくはこちらの記事より
■DTE
DTEはアルミニウム産業の人が集まり、よりクオリティの高い仕事をこなせるようにした産業ネットワーク、プラットフォームを提供してい企業だ。
第二次産業の英知、技術、人、経験をITによって結びつけ、より大きなムーブメントを創っていこうしているDTEのような企業の存在からは学べることも多いのではないだろうか?実際に日本にも優れた技術をもった町工場や中小企業がたくさんある。
ITによって再構築されるものづくりの新しい形からは目が離せない。
■Levo
Levoは新たな形でデバイスとやりとりするための遠隔操作ツールMyoをよりスマートに使いこなすためのソフトウェアを提供している。この企業よりもMyoのほうに目がいってしまうが、今のスマートフォンやPCを操るには当たり前だが直接手が触れていないといけない。しかし、Myoを使えば遠隔からも操作が可能になり、他の作業をしながらデバイスの操作を行うことができるため用途も拡大するだろう。
プレゼン、ゲーム、医療、VR、音楽などデバイスを駆使してアクションを起こすイノベーションとなる。
◇コミュニティサービスとか
■promogogo
ライブやエンタメイベントのチケット販売やソーシャル戦略、キャンペーンなどプロモーションを一括で行えるプラットフォームを提供しているのがPromogogoだ。
日本でいうpeatixとかそんな感じだろうか。ソーシャルでダイレクトにファンや顧客とつながることができるようになった時代だからこそ、新たな接点の持ち方が必要になってくるのだろう。
脱線するがeventusというイベントアプリがすごくUI/UXがいいので紹介しておく。
■OZ
いわゆるスポーツのコミュニティサービスを提供しているのがOZだ。
アプリをダウンロードして好きなクラブをフォローすることができ、同じコミュニティのメンバーが作成するビデオやライブストリーミングを楽しむことができる。もちろんメンバー間でコミュニケーションができるSNSとしての機能もある。コミュニティに入るときに入会フィーが発生するようだ。
今の時代ファンが自発的にコンテンツを創れるので、ロイヤリティが高いファンたちが集まったコミュニティというのは楽しくて、盛り上がることができる場なのかもしれない。
日本でもBリーグが開幕したし、これからますますスポーツビジネス関連のところは変化していくと思われるので、コミュニティモデルの動向には注目したい。
■Jivaro
JIvaroは世界最大級のオンラインポーカーPokerStars上で機能するソフトウェアだ。ポーカーのコミュ二ティや勝負の統計データをビジュアライズ化したプラットフォームはこれまでに以上にポーカーをソーシャルで楽しいものにする。
日本ではカジノはあまり馴染みがないが、海外では一つの娯楽として広く普及している。だがオンラインなら日本からでもアクセス可能だ。PokerStarsのプレイヤーはぜひ利用してみるとよいだろう。
■Anitar
あなたの飼っている動物や家畜、畜産物などのトラッキングや登録を容易に効率よく行うことができるツールを提供しているのがanitarである。IoTではないけど、動物向けのIoTツールといった感じでしょうか。
なんか他の要素と結びつくことで面白い発展がありそうなサービスです。
■TeqHire
テックハイヤーはIT業界の人材プラットフォームを提供している企業。ヨーロッパのイノベーティブな企業からのオファーが受けられるみたい。IT人材の需要は世界で高騰しているものと思われます。
人材獲得を効率化していくHRテックや、能力のあるIT人材にいかにリーチできるサービスはh伸びていきそう。
■SAReye
事故や災害時の、救助部隊を迅速かつ国の機関と連携して派遣するSAReye.アイスランドは山、氷河、火山など雄大な自然があるが、それは同時に危険との隣合わせでもある。いざというときに命の綱となるサービスだ。
◇バイオ&フード
■Orf Genetics
バイオ企業であるオルフジェネティクス
バクテリアや動物細胞システムを使わずに、ホストとして大麦胚乳を用いたユニークかつ革新的な発現システムです。大麦は真核生物ですので、大腸菌系発現システムよりもヒト細胞により近い真核性のフォールディングや翻訳後修飾が期待できます。また、得られるリコンビナントタンパク質がバイオリスクフリーであることも大きなメリットです。このシステムで得られたタンパク質をISOkine™ と呼んでいます。(日本ジェネティクス)
■DeCode
バイオベンチャーのDeCodeは人のゲノム分析・解明のグローバルリーダーであり、よくある病気のリスク要因遺伝子を発見した。ミッションは遺伝子の理解を深めることで、病気のへの新たな手段を講じたり、予防に役立てるためである。
日本はiPS細胞を筆頭に、生命医療などの分野で世界的なパイオニアである。ここ数年で医療のまた一段と進歩し、我々の健康寿命が上がることは嬉しいが、その後の社会を考察することもまた重要なのだろうと、思わざるをえない。
■NextCode
こちらのゲノム分析を行う企業です。
■Algae
バイオテクノロジーによって、消費者向けの健康プロダクトを作っている企業。その核となるのは「微細藻類」生かしたもの。藻類は、豊富なタンパク質、エネルギー、繊維を含んでいます。
ちょうどユーグレナがミドリムシに注目したように、藻類や微生物のポテンシャルは計り知れないものがあります。これからも注目したいですね。
■Crowbar Protein
Crowbar Proteinは新しいエナルギーバー"Jungle Bar"を提供している。従来の、バター、大豆、グルテンやピーナッツは使っていない、元となっているのは「コオロギ」だ!つまり昆虫食のイノベーションを起こしている企業だ。
世界に昆虫を食べている人はたくさんいて、よくアジアのマーケットなんかで見かけるが実際に食べるとなると少しハードルが高いように思う。しかしJungle Barなら、そんなこと気にせずアクセスできそうだ。
自然界で最も持続性があるリソースである「昆虫」はプロテイン、ミネラル、ビタミンなどの栄養分もたっぷりと含まれている。ちょうどシリコンバレーで必要な栄養分を詰め込んだサプリメントを提供する企業が登場していたが、今後食のあり方ももっと多様化してくるかもしれない。
▼Jungle Barができるまで動画
*虫が嫌いな人は注意
■Wasabi Iceland
わさびアイスランドは、名前の通りなのだが、アイスランドでわさびを栽培し、国内消費と輸出向けの出荷を計画しているビジネスである。2017年に初の栽培を予定しており、すでに国内のレストランと契約を交わしている。
シードラウンドの資金調達も発表している。
アイスランドでわさびは寿司店で使われるのだが、一般的に使われているのは、西洋わさび(horseradish)で、本物のわさびはレアで価格も高い。そこで国内生産することを発想したのである。
この会社を立ち上げた二人、ラグナーとジョアンは、エンジニアリング系の大学を卒業したが、研究でわさび製品の解析をやった経験からこのビジネスのアイディアを想起した。
日本を代表する寿司に欠かせないわさびを栽培するベンチャー企業、ぜひとも応援したいものだ。
▼まとめ
ここではStartup Icelandを参照しながら、40のスタートアップを紹介した。後で文化や国民性を合わせて、リサーチをしたいと思っているが、とりあえず所感を述べると、国の一大産業である観光、旅行産業に関連するスタートアップが多かった。業務効率系やBtoB,BtoCのコミュニケーションツールは世界的に似たようなプロダクトが多いが、バイオやフード、などのジャンルではその国ならではの要素が入ってきて独自性が高かったように思う。特にJungle Barやわさびなどである。義足を製造しているオズールやQuizeupは世界的にも有名なプロダクトである。国ごとに強みや特徴があるのは当たり前で、それをどう生かすのかが重要なのだろう。
アイスランドのスタートアップを調査する時の参考になれば幸いだ。