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VRの普及戦略は任天堂Wiiに学べ 〜VRで心を鎮める「REALITEER」〜

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 (Photo by Simon Rae on Unsplash)

AR(augmented reality)の紹介が続いていたが、今回はVR(virtual reality)の紹介だ。自分ごとにはなるが、つい先日発売されたOculus Goを購入し、私もVRを楽しんでいるところだ。VRといえば、非日常世界への没入という意味で、どちらかというとエンターテインメントの要素が強いように思う。

ただ、今回紹介するのは治療、瞑想、リラックス、リハビリなどに利用するVRサービスである。それがRealiteerだ。Realiteerのサービスでは様々なシチュエーションを準備されている。詳しくは以下のトレーラーを観ると分かるが、触覚用コントローラーを用いて、石を積み上げたり、教室で授業を受けたり、車の運転をしたり、自然の中で瞑想をしたり、散歩したり、空を飛んだり、と実に多様だ。

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このトレーラーを見たときに、想起したのが、Nintendo Wii(とWii Fit)だ。今はNintendo Swichの時代だが、当時のWiiはゲーム体験の幅を広げることで社会に影響を与えたものだった。どういうことかというと、それまで「ゲーム」というとメインターゲットは子供と大人(どちらかというとギークな男性)といったイメージが強く、ゲームコンテンツも娯楽系のものがメインだった。それに対して、WiiWii Fitなどの体重計型ゲーム補助ハード機などを導入して、楽しくエクササイズするゲームであったり、それこそお家でヨガをできるようなゲームコンテンツを提供することで、女性を含むより多くの人に、ゲーム体験をしてもらうことに成功した。

Wiiはリモコン型コントローラーで実際に体を動かしながらゲームをすることができたと言う意味でも、フィジカルだったと言えるが、Realiteerでも同じことがいえるのではないだろうか。Realiteerが提供しているVRのコンテンツは、静的に享受して楽しむものだけではなく、実際に手や腕、体などを使って行う動的な能動的アクションを伴うものだからである。

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これからVRのハードは普及していくことが予想されるが、ハードと共に魅力的なソフトコンテンツの存在も必要不可欠だ。普段からゲームをしている人向けのマニアックなコンテンツだけではなく、より広い人に向けられた、RealiteerやかつてのWiiのようにライトに楽しめ、かつ健康やリラックスに結びつくような有意義なコンテンツが、VRの普及に一役買うのかもしれない。。。

テクノロジーは新しい用途見つけると、より社会に浸透しやすくなるものだ。これからもVRの利用方法には目が離せない。

 

 ※PS
VRハードとコンテンツ、Wiiのそれとのデータを伴った比較は後日時間がある時に調査してみます。